2007/11/29

沖縄の炒め

夏に食べそびれたそうめんが家にあったので、ソーミンチャンプルーを作って食べてみたのだ。
ネットでレシピを調べたら、特にこれといった形もなさそうなので、沖縄っぽいイメージで、玉ねぎ、ニンジン、キャベツ、もやし、かたい豆腐、卵、スパム(ランチョンミート)なんかを入れて作ったらわりとおいしくできたよ(スパムの塩味がポイントなのだ。)。
で、沖縄ではこういう炒め物のことを「チャンプルー」と呼ぶんだよねぇ、なんて思いながら、さらにちょっと調べてみたんだ。

「チャンプルー」というのはもともと琉球語で「混ぜこぜにした」というような意味ということで、野菜や豆腐を炒めた沖縄料理の総称なのだ。
長崎が有名な「ちゃんぽん」も「混ぜる」という意味だけど、インドネシア語・マレー語にも「チャンプール」という言葉があって、同じような意味なんだって。
朝鮮語にも「チャンポン」があるらしいので、これは東南アジアから東アジアにかけて共通の起源があるのかも。
なかなか興味深いねぇ。

沖縄のチャンプルーのポイントは野菜と豆腐で(一部豆腐が入らないものもあるけど)、豆腐は沖縄独特の島豆腐というとてもかたい豆腐を使うのだ。
この豆腐は水につけた大豆をまずすりつぶして豆乳を生のまま絞り、それを煮てにがりを加え、強めに重しをかけてかたくかためるものなのだ。
本土の豆腐は水につけた大豆を煮てからすりつぶして豆乳とおからに分けるんだけど、沖縄は生のまましぼるところが大きな違い。
この作り方をすると、木綿豆腐よりもさらにかたくなるんだよ。
なので、炒めてもまったく型くずれしないし、できあがった豆腐も水にさらさなくてもまったく平気なものらしいのだ。
ちなみに、米国内で売っている豆腐はとてもかたくて、「soft」というのを買っても木綿豆腐よりかたいのだ(>_<)
※日本では天然にがりの主成分である塩化マグネシウムでかためていたんだけど、もっと薄い豆乳でもかためられる硫酸マグネシウムなんかも使うようになって豆腐がやわらかくなっていったのだ。米国には古典的な製法が伝わったとかで、今でもかたいものを作っているみたい(マンガ「美味しんぼ」でブラック師匠が始めて出てくる回でそんな話があるのだ。)。たぶん、不器用だからかたい方が扱いやすいし、好きなんだろうね(笑)

沖縄は本土と違って仏教の影響を受けなかったから、肉も油もしっかりと食文化に取り込まれていて、よく摂取されているのだ。
琉球料理は本土のものより肉や油の使い方がうまいんだよ。
なので、このチャンプルーもなかなかおいしく栄養がバランスよくとれるように工夫されていて、豆腐や肉のタンパク質、野菜のビタミンや繊維質、そして肉や油から脂質がとれるのだ。
野菜炒めより多くのバリエーションもあるし、最近ではよく本土でも食べられるようになったんだよね。
ちょっとアレンジしてあるみたいだけど(特に重要な島豆腐が手に入らないので、同じものは作りにくいのだ。)。

チャンプルーは使う食材によっていろいろ種類があって、一番有名なのはニガウリを使ったゴーヤーチャンプルー。
この頃は居酒屋のメニューなんかにもあるのだ。
キャベツ(玉菜)を使うとタマナーチャンプルー、もやし(豆菜)を使うとマーミナーチャンプルー、青パパイヤを使うとパパヤーチャンプルー、ヘチマを使うとナーべーラーチャンプルーなどなど。
かためにゆでたそうめんと少しの野菜を炒めたソーミンチャンプルーもあるのだ。
ボクが作ったのは野菜チャンプルーのそうめん入りだけど(笑)

こうしたチャンプルーの特徴から、戦後の米国の統治期間を含めて、琉球独自の文化と、日本列島本土(特に薩摩)、東南アジア、中国、米国などの文化が混ざった沖縄の文化を「チャンプルー文化」なんて呼ぶらしいよ。
かなり柔軟に文化を受け入れて、自分たちのものにしてきたんだよね。
タコライスとかスパムの味噌汁なんかはその典型なのだ。
沖縄は昆布を大量に食べることで有名だけど、沖縄では昆布はとれないので、これも外来の文化なんだよね。
そういう面を見ると、沖縄の文化はとても興味深いのだ。
ボクは特に食文化が気になるけどね(笑)

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