2007/12/20

どてらいやつら

寒いとこたつが恋しくなるよね。
ボクは日本にいたときはどてらを着てこたつに潜り込んでいたものなのだ。
でも、米国に来てからはそうするわけにもいかないので、毛布をかぶっているんだよね(>_<)
どてらのようなちょうどよい部屋着があまりないのだ。

どてらは丹前の別名で、綿の入った和式の上着なのだ。
そのむかしは、布と布の間に綿を入れた「綿入れ」を着ていたものだけど、その一種だよ。
どてらは上から羽織って切るけど、袖が広くなっているので、中に手を入れておくこともできるんだよね。
もともとは旗本に仕える若い使用人の「奴(やっこ)」が着ていて、それが広まったんだって。

実はこれ、もともとは遊女の勝山さんという人の衣装から着ているようなのだ。
この勝山さんは遊女になる前は丹前風呂と呼ばれる売春宿も兼ねた湯屋で湯女をしていたので、「丹前」と呼ばれるようになったとか。
で、美人揃いの丹前風呂には奴がよく出入りしていて、それで奴の間に広まったみたいだよ。
この奴連中はいわゆるカブキもので、派手な格好が好きだったので「丹前=どてら」も派手な柄が定番となったのだ。

で、この綿入れがあたたかい理由だけど、それはふわふわの綿に秘密があるのだ。
綿が入るとそれだけふくらんで間に空気が入るわけだけど、この空気は布とかに比べて熱伝導率が悪いのだ。
つまり、熱が伝わりにくいので、内側からは熱が逃げにくいし、外側からは外気の冷たさが浸透しにくいというわけ。
これはダウンジャケットや毛皮でも基本的には同じで、空気を間にはさむことで断熱効果が期待できるのだ。
お布団があたたかいのもまったく同じ理由だよね。
毛糸のセーターなんかは普通の布に比べる編み目が大きくて風が通りそうな気もするけど、この空気の断熱効果のおかげであたたかいというわけなのだ。

空気の断熱効果を使っているのは、プチプチこと気泡緩衝材も同じなのだ。
これは空気の入った小さな「プチプチ」をシート状に並べてあって、衝撃吸収剤材としても使われるけど、別名で断熱シートとも呼ばれるように、窓なんかにはると冷気を遮断するのだ。
これも空気が熱を伝えにくいからだよ。
ホームレスの人が段ボールで家を作るのもこれと同じ理由で、やっぱり間に空気が入っているので段ボールはかなり外気の冷たさを遮断できるのだ。
空気の力は偉大なんだね。

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