2007/12/21

イルミネーションも省エネで

クリスマスの時期だけあって、いろんなところで電飾のイルミネーションを見かけるのだ。
でも、最近は米国でも多少省エネ指向になっていて、電球から発光ダイオードのイルミネーションに変わってきているそうだよ。
発光ダイオードだと少ないエネルギーで明るいし、電球より長持ちで、さらに電球のように光っているときにそんなに熱くならないのでメリットが大きいのだ。

発光ダイオードは光るダイオードなわけだけど(笑)、英語でもそのままLight Emission DiodeでLEDと呼ばれるのはこの略だよ。
ダイオード自体はもともと陽極(cathode)と陰極(anode)のある二極真空管のことで、この真空管を使うと電流が一定方向にのみ流せるので、整流素子として使われたのだ。
直流だとまったく問題じゃないけど、交流だと電流の向きが周期的に変わるので、こういう整流素子を通して一方向にだけ電気を流す必要があったのだ。
で、技術が進むと半導体でダイオードが作られるようになり、発光ダイオードはそこからさらに発達したものだよ。

半導体は、電気をよく流す導電体と電気を流さない絶縁体の中間的な存在なのでその名前があるんだけど、周囲の電場や温度で電気を少し流すようになるんだよね。
で、このときに余分な電子(伝導電子)が電気の流れを介在する場合と、電子の不足(正孔)が電気の流れを介在する場合があって、それぞれをn型半導体、p型半導体と呼ぶのだ。
半導体ダイオードはこのp型とn型を接合させた状態になっていて、その接合部は二極真空管のように電気を一方向にのみ流しやすい性質を持っているので、ダイオードとなるとのこと、難しいことはわからないけど(笑)
で、電圧をかけてn型とp型のそれぞれの半導体が電気を流す状態になると、伝導電子と正孔が結合してプラマイゼロの状態になるのだ。
でも、エネルギー保存の法則があるので、このとき電子や正孔の持っていたエネルギーは熱や光として放出されるんだよ。
その光を利用しているのが発光ダイオードというわけ。

半導体レーザーもほぼ同じような原理だけど、レーザーと呼ばれるだけあって単一の波長の電磁波(光)だけが出るのだ
発光ダイオードもある程度出てくる電磁波の波長の範囲は決まっているものの、単一ではないので区別されるんだよね。
発光ダイオードの場合、赤外線領域から紫外線領域までの光を出すことが可能で、携帯電話の赤外線通信やテレビのリモコン、電子機器の発光シグナル、省エネ型の信号、電光掲示板など様々な用途に使われているのだ。
発光するときの波長の違いは半導体の材料によるんだけど、赤い発光ダイオードがかなり初期からあったのに比べて、青色発光ダイオードはずっと開発できずにいたので、その成功は大きなインパクトがあったんだよね。
これは日本人による成果なんだよ!
青色発光ダイオードの登場でいろんな色が重ね合わせで表現できるようになり、発光ダイオードの用途も劇的に広がったというわけ。
光の三原色を混ぜると白色光になるけど、青色発光ダイオードの開発と、それに続いた緑色発光ダイオードの開発で、やっと光の三原色がそろってカラー表示に使えるようになって、その組み合わせで白色発光ダイオードも実現できたのだ。

発光ダイオードの特徴は、電球や蛍光灯と違って不要な紫外線や赤外線などの波長をあまり含まないことがあって、これによって、紫外線に弱いものや熱に弱いものを照らす照明に使えるのだ。
また、消費電力が低くて、しかも長持ちするそうだよ。
半導体の部分は半永久的に使えるんだけど、それにつながる電極の部分が劣化するのが使用できなくなる原因だというくらい長持ちなのだ。
しかも、構造が簡単で安価に大量生産が可能だったり、電球のようにフィラメントを使わないし、蛍光灯のようにガラス管も使わないので、衝撃に強くて丈夫で、故障も少ないそうだよ。
こうやって聞くとメリットばかりだよね。

でも、電球と違って、流す電流を2倍にしたからといって2倍の明るさにはならないとか、逆方向に電流を流すと光らないばかりか壊れる可能性があるとか、静電気に弱いなどの特徴もあるんだって。
通常使われている小さい発光ダイオードではほとんど発熱は問題ないんだけど、高出力の明るい発光ダイオードでは熱もかなり出るので、きちんと放熱対策をしなくちゃいけないそうだよ。
とは言え、将来の照明器具として大きく注目されているんだよね。
そのうちイルミネーションだけでなく、室内の照明も発光ダイオードになる日が来るのかな?

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