2008/01/13

ぬけ、すくえ!

ボクが自分で料理するときに気をつけているのは「アク抜き」と「アク取り」。
どちらもせっかくの料理がおいしくなくなる原因になるので、わりときちんとやる方なのだ。
手間はかかるけど、せっかくならおいしいものが食べたいからね♪

このアクの正体は、硝酸、シュウ酸、有機酸、アルカロイド、ポリフェノール(タンニンなど)、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸など様々で、食品に含まれる渋み、苦み、不快な臭いのもととなるものの総称のようなのだ。
食事には不要だから抜いたりすくわれたりするわけ。
同じような物質でも、それが適度な渋みや苦みを与えるものだったり、香味を与えるようなものだと香辛料やハーブなどと呼ばれて積極的に足されることになるのだ。
ようは人間から見て不快かどうかというだけなんだよね。

植物性のアクは水又は塩水にさらしたり、短時間ゆでたりしてぬくけど、多くは渋みや苦み、えぐみのもとなのだ。
もともとは草食動物に食べられないようにするための防御物質としての刺激性物質や、消化・吸収を阻害する物質なんかみたいだよ。
ほうれん草はそのまま食べるとえぐみがあるけど、これはシュウ酸があるためで、短時間ゆでると水に溶け出すので抜くことができるのだ(ゆでることで細胞壁が壊れるので、中からシュウ酸が溶け出すのだ。)。
カルシウムと結合すると水に溶けないシュウ酸カルシウムになるので、味覚としては感じなくなるらしいよ。
これを利用したアク抜き、というか、えぐみをとる方法もあるのだ。
ということは、カルシウムを多く含んだミネラルウォーターで煮るとよいのかな?
タケノコのえぐみもこのシュウ酸で、タケノコの場合はシュウ酸が多く含まれているので、より溶け出しやすいように米ぬかと一緒に煮たり、米のとぎ汁で煮るんだよ。

ゴボウはよく酢水につけると色も茶色くならないし、えぐみも抜けると言うけど、ここれはお酢によって原因物質のタンニンが溶け出すからだよ。
でも、実はこのタンニンが栄養でもあるといわれていて、あんまり白くアクを抜きすぎるとよくないとも言われるのだ。
アルカロイドのようなアルカリ性物質も酸性の水溶液に溶け出しやすいので、お酢でアク抜きをするんだよ。
逆に重曹でアク抜きするようなものもあるんだよね。
これはアクのもとが有機酸で、アルカリ性の水溶液に溶け出すからなのだ。
ナスなんかはわりとえぐみが弱いから、普通に水又は塩水につけておくだけでもいいんだけどね。

一方、動物性のアクは水溶性のタンパク質が熱で変性して水に溶けなくなって凝集するときに、まわりのアミノ酸や脂肪酸などの不快な臭いや味のもととなるものを一緒に巻き込んでしまったものなのだ。
でも、その不味成分と一緒にうま味成分や栄養素なんかも一緒に巻き込んでいるので、あまりすういすぎてもよくないみたい。
とに肉なんかだとアクと一緒に黄色い油が出てくるけど、これも救いすぎるととりのうま味がなくなると言われているのだ(ブロイラーだとこの油が不快な臭いのもとだったりするのですくった方がいいんだけどね。)。

動物性のアク取りは表面に浮かんできた泡状のものをお玉やスプーンなんかですくうわけだけど、コンソメを作るときなんかは最後にさーっと卵白を流し込んで、アクを取るのだ。
卵白が熱で固まるときにアクも一緒に固まるんだよね。
でも、静かに卵白を流し込まないときれいな琥珀色のコンソメにならないので、かなりの技術がいるみたい。
お玉でアクをすくうのとは大違いなのだ(笑)

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