しっとりともさもさ
今日は学校で同じく日本から来ている留学生(でもボクとは違ってきちんと大学院生として来ているのだ。)からおやつにカステラをもらったんだ。
やっぱり日本のカステラはしっとりしていて、甘さもまろやかでおいしいねぇ♪
こっちにも似たようなものにパウンドケーキがあるんだけど、ぱさぱさでもさもさしていてそんなにおいしくないんだよね。
材料もほぼ同じようなもののはずなのになんで違うんだろうと思って少し調べてみたのだ。
パウンドケーキは、小麦粉、バター、砂糖、玉子をそれぞれ同重量ずつ使うんだけど、基本的には1ポンドずつ混ぜ合わせるので「pound cake」と言うのだ。
材料もその辺にあるものだし、使う重さもみんな同じで量るのが楽なので、欧米ではもっとも一般的なケーキなんだよね。
パンはイーストで発酵させるけど、パウンドケーキの場合はベーキングパウダーを混ぜてふくらませるのだ。
バターを白くなるまでよく練って、そこに少しずつ砂糖を加え、あらかじめといておいた卵を入れて混ぜ、砂糖が溶けきったところでよくふるった小麦粉をまぜて焼くのだ。
よくドライフルーツやナッツを入れたりするんだけど、英国なんかでは焼き上げた後にリキュールの入ったシロップを表面にぬって、ラップなどに来るんで数日間熟成させたりするのだ。
そうするとしっとり感が出てぱさぱさ感が消えるんだよね。
でも、米国のパウンドケーキは焼いてあるだけのぱさぱさのものが多いんだ。
米国の場合、パウンドケーキにたっぷりと生クリームやホイップクリームをかけたり、紅茶やコーヒーにつけながら食べたりするので、ぱさぱさなのをあんまり機にしないようなのだ。
水分と一緒にとるからもさもさ感も気にならないみたい。
でも、米国のパンはかなりぱさぱさしたものが多いから、きっともともと唾液が多いとかそういう理由もあってぱさぱさしているのが好まれる傾向があるかもしれないのだ。
一方、カステラの場合は乳製品を使わないのが特徴で、小麦粉と砂糖又は水飴、卵を混ぜて生地を作るんだけど、ベーキングパウダーは使わないのだ。
代わりによく泡立てておいた卵に砂糖と小麦粉を混ぜ込んでいて、それでふんわり感を出しているんだ。
水飴を使うことでしっとり感も出していて、さらに砂糖の含有量も多いのでその等分が生地の中で蜜状になったり、メイラード反応でカラメル色になったりするのだ(ちょうど上下の焼き色のところだよ。)。
スポンジケーキはかなり似ているけど、ベーキングパウダーでふくらませているし、焼き色はつけないのだ
糖分も多くないよ。
さらにしっとりさせてシフォンケーキの場合は植物油を混ぜ込んでいるそうだよ。
カステラはスペインにあったカスティーリャ王国のポルトガル語発音の「カステーラ」に由来すると言われていて、南蛮渡来のお菓子を日本風にアレンジしたものなんだよね。
欧州のお菓子としては珍しく乳製品を使っていないこともあって日本に残ったようなのだ。
もともとは砂糖、卵、小麦粉で作ったパンに近い素朴なものだったらしいけど、それが徐々にアレンジされていって発展していったみたい。
長崎カステラの特徴といわれる水飴の使用は明治期になってから西日本で始められたと言われていて、これによって現在のようなしっとりとしたカステラとなったのだ。
やっぱりカステラはしっとりしていないとおいしくないよね。
こうしてみると、材料の違いは乳製品(バター)を使っているかどうかだけで、後は膨張剤(ベーキングパウダー)を使うかどうかの差なんだよね。
そんなところしか違いがないのに食感では大違いなのだ。
パウンドケーキでも砂糖の代わりに水飴を使って、ベーキングパウダーの代わりによく泡立てた卵を使うと、ふわふわでしっとりしたものができるのかな?
やっぱりバターが入っていると、ある程度さっくりしたものになってしまうのかな?
誰かお菓子作りが得意な人に試してもらいたいよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿