サマータイム
米国ではサマータイムが実施されているので、時計の針が1時間進んでいるんだよね。
実際に自分で体験するまでは1年の途中で時計の針を動かさなきゃいけないなんてめんどくさいだけなじゃいのかな?、と思っていたんだけど、これはけっこう意味があると思うのだ。
なにしろ、夜遅くまでわりと明るいので、1日がより長く使えるんだよね!
日本人と違ってあまり残業しないできちんと帰宅する米国の人にとってはかなりお得な制度だと思うよ。
このサマータイムはイギリス英語ではそのままsummer timeなんだけど、アメリカ英語ではdaylight saving timeと言うんだって。
確かに昼間の時間を有効活用しよう!、ってことだからね。
メリットとしては省エネにつながるとか、余暇が充実する、夜が明るいので犯罪や交通事故が減る、などが挙げられているのだ。
逆に、デメリットとしては生活リズムが崩れる、早く帰って家で空調を使うからたいして省エネ効果はない、時間で管理しているシステムに支障が出る、などなのだ。
デメリットも慣れてしまえばどうってことないような気もするから、導入してみてメリットが感じられるかどうかだと思うんだけどね。
このサマータイムを考案したのは、米国で「ヤンキーの父」として尊敬を集めるベンジャミン・フランクリンさん。
この逸話は映画「ナショナル・トレジャー」にも出てくるよ。
この人はいろんな制度を考えたんだよね。
でも、サマータイムは彼の時代には実現せず、実際に最初に導入されたのは、第一次世界大戦中の1916年で、英国とドイツで採用されたとか。
米国でも一度1918年から導入されたんだけど、そのときは不評ですぐに廃止されてしまって、復活したのは第二次世界大戦中で、資源節約の目的で始められたんだって。
それが今も続いているのだ。
と言っても、必ずしも全部の州や地域で導入されているわけじゃなくて、採用していないところもあるんだって(例えば、ハワイ州とか、アリゾナ州の一部とか)。
日本では連合国軍の占領下の1948年から1951年まで採用されていたんだって。
「夏時間法」というそのままの名前の法律が作られ、当時はそのままローマ字読みされて「サンマー・タイム」とか呼ばれていたらしいよ。
でも、あまりにも不評で廃止されてしまうのだ。
当時はまだまだ多かった農民の生活リズムが狂うかとか、それまで1時間ずれて時差通勤になっていたサラリーマンと公務員の通勤時間帯が重なりラッシュアワーが発生するようになったとかが主な原因だそうだよ。
でも、その後も省エネ効果などに着目されて導入の動きがあって、今でも国会議員の間ではサマータイム導入を目指す人たちがいるんだよね。
米国でできているからやってやれないことはないけど、今からいきなり導入すると時計を使ったコンピュータ・システムには改修が必要だから、けっこう大変かも。
その特需で経済効果があるかもしれないけどね(笑)
でも、日本でかつて使われていた「刻」は不定時法と呼ばれるもので、サマータイムの考えに近いものだったんだよ。
室町時代くらいから始まり、明治のはじめまで続いたんだけど、日の出と日の入りの間を昼と夜とし、それぞれを6等分したのだ。
すると、日の出・日の入りの時刻の季節変動で、「刻」の長さも季節によって変わるよね。
夏の昼の「一刻」は長くて、冬は短いんだよ。
で、むかしはこの不定時法で暮らしていたんだから、農家の生活リズムが狂うっていうのはまさしく変化に伴う混乱というだけどよね。
お寺の「刻の鐘」をもとに農作業していたころから、今のようなきっちりと決まった定時法に移行したときも同じような混乱があったと思うんだよね。
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