2007/08/16

天ぷら

冷蔵庫に玉ねぎとニンジンがあまっていたので、どうやって食べようかな?、と考えたんだけど、ふと思いついて、野菜だけのかき揚げにすることにしたのだ。
油の量をけちったのでばらばらになってしまったけど、なかなかおいしく食べられたよ。
小麦粉の衣をつけて油で揚げるだけだけど、食感もよくなるし、野菜の甘みも出てきておいしくなるよね。
この食べ方を考えた人は偉いのだ!

ということで、少し調べてみると、天ぷらの原型が伝わったのは16世紀ころで、宣教師たちが欧州のフリッターのような魚に衣をつけてあげる料理を持ち込んだのが始まりだとか。
当時は南蛮焼きと呼ばれていて、ちょうどムニエルを作るときに魚に小麦粉をつけて焼くのと同じようなもので、もうちょっと衣が厚いものだったと思うのだ。
たぶん、南蛮漬けに使うアジの揚げたのや、チキン南蛮のトリに近いのかも。

それが日本で独自の発展をとげて、さくさくの薄い衣をまとう料理に変身したみたい。
江戸時代に魚介類をタネにした天ぷらと、野菜をタネにした精進揚げが普及して、立ち食いの屋台から高級料亭まで広く提供されるようになったんだって。
江戸時代は魚介類と野菜を分けていたんだけど、さらに時代が下ると一緒になって、薄い衣をつけて揚げたものの総称が天ぷらになるのだ。
最近ではまんじゅうやアイスクリーム、肉類、ちくわ、となんでもあるよね(笑)

今でも九州で天ぷらというと薩摩揚げを指すことがあるけど、これはもともと天ぷらという言葉が油で揚げる料理一般を指す言葉として使われていたからみたい。
きっと九州ではいわゆる天ぷら(狭義の天ぷら)よりも薩摩揚げの方がポピュラーだったので、油で揚げた料理=薩摩揚げで、天ぷら(揚げ物の一般名称の広義の天ぷら)と言えば薩摩揚げになったんだろうね。
ボクなんかはどっちも好きだけど。

天ぷらはコンセプトは非常に単純な料理なんだけど、それでいてけっこう技術を要する料理でもあるんだよね。
油の温度や衣の量なんかがけっこう重要で、さくっとした食感が出なかったり、油でもったりしてしまったりするのだ。
一般的には、揚げる寸前までネタはよく冷やしておくこと、衣に使う小麦粉は混ぜすぎないことなどがコツとして指摘されるんだよね。
小麦粉は混ぜすぎるとグルテンができてしまって、衣がべたついて、さくっとした食感が出ず、もったりとするのだ。
ダマが残るくらいでもいいので、さっと混ぜて、さっとネタをつけて揚げるのがよいみたい。
ちなみに、衣に重曹なんかを入れると、よりさくっとした食感になるのだ。
市販の天ぷら粉にも入っているよ。

衣をつけてあげることで、中の水分が適度に保存されながら蒸発していって、熱もゆでるときよりも高温で調理可能なのだ。
なので、比較的短時間で仲間で火が通るわけ。
しかも、素揚げの場合には、野菜などでは表面がしわしわになってしまうけど、衣をつけてあげるとそういうこともなく、食感も衣のおかげでさくっとするし、中の野菜もうまく揚げるとしゃっきりしたまま揚げられるのだ。
油をたくさん使うけど、野菜を食べる方法としては、かなりおいしく食べる料理法ではあるんだよねぇ。
ちなみに、高温で一気に火を通すので、ビタミンなどの栄養素もゆでる場合に比べてはるかにぬけにくいんだよ。

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