なすび
今日はスーパーでたまたま見かけた日本のナスを使ってミートグラタンを作ったのだ。
ナスはおいしいよねぇ。
ボクは野菜の中ではかなり好きな方。
でも、米国のナスは大きすぎて使いづらいから、今まであんまり食べなかったんだよね(>_<)
で、ひさびさにおいしくナスを食べられて感動したので、ナスについて少し調べてみたのだ。
ナスはナス科ナス属の植物で、インド東部の原産みたい。
高温多湿なモンスーン気候を好むので、日本のような蒸し暑い気候にあっているみたい。
平安時代に「なすび」として伝わって、女房言葉により「なす」と呼ばれるようになり、そっちが定着したとか。
今でも「なすび」と呼ぶことはあるけど、「ナス」が一般的な呼称だよね。
日本の食用ナスはたいてい濃い紫色だけど、品種的には白いものや黄色いものもあって、米国ではいろんな色、大きさのナスが並んでいるよ。
(ちなみに、ナスの紫色はナスニンという色素で、アントシアニンの一種だって。)
日本でも丸い賀茂ナスから、長細い長ナス、漬け物にする小ナスなどなどいろんなものがあるよね。
栽培品種がけっこうあるのも特徴なのだ。
英語ではその形状から「eggplant」と呼ばれるよ。
(一説には白ナスが卵を連想させるから、というのもあるのだ。)
ナスはスポンジ状の果肉とやわらかいタネ、薄い皮というのが特徴で、たいていはヘタだけとって丸ごと食べるのだ。
でも、あくがあるので、生食することはまれで、水にさらしたり塩もみしたりしてあくをぬいて、加熱調理するか漬け物にすることが多いんだよね。
最近は品種改良も進んであくの少ないものも出てきているので、軽く塩もみしてマリネにしたりとかもするみたい。
で、このナスは実はほとんどこれといった栄養がない野菜として知られていて、基本的には食感を楽しむものなのだ(笑)
東洋医学では体温を下げる効果があるといわれているので、夏野菜として煮浸しにしたり、揚げナスにしたりして食べるんだよね。
でも、ナスの特徴はなんと言ってもそのスポンジ状の果肉による水や油の吸収のよさ。
水をよく吸う性質によって、煮物にするととにかくよく味がしみておいしいんだよね。
しかも、味がしみこむのが早いのだ!
油の吸収性の良さは、しっとりとした食感をもたらすだけでなく、さっぱりと油分を摂取するのにも役立つんだ。
夏場はこってりしたものはあまり食べたくないけど、ナスの揚げ浸しなんかだったらさっぱりと食べられるよね。
油の摂取は敬遠されるけど、必須脂肪酸はとらなくちゃいけない栄養なので、質のよい油でナスを揚げてさっぱりと食べる、というのがおすすめの方法なのだ。
西行法師の和歌に「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」という「三夕」に数えられるものがあるんだけど、このパロディで「菜もなき 膳にあはれは 知られけり 鴫焼きナスの 秋の夕暮れ」という狂歌があるのだ。
ナスはむかしから庶民でも食べられる食材だったんだけど、秋の夕暮れに「もののあはれ」を感じられるほどおいしいということなのだ。
栄養があろうがなかろうが、そうやってむかしから好まれてきたというのは偉大だよね(笑)
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