2007/08/17

財布の中のアレ

新聞を読んでいたら、なかなか興味深い記事があったんだ。
それは、1セント硬貨(ペニー)に関するもので、なんでも、原料の亜鉛の値段が上昇して、1セント硬貨を作るのに2セント近いコストがかかっているので、原料の見直しをしたい、というようなことなのだ。
米国では、硬貨に使用する原料の金属は連邦議会が決めることになっているので、今はそれに向けて働きかけ中なんだって。

もともとは1セント硬貨は銅貨として作られていたんだけど、銅の価格の高騰により、亜鉛に銅メッキに変わったんだよね。
でも、さらに亜鉛が高くなってきたので、鉄や他の金属にすることも検討しているそうだよ。
戦争時は銅が不足して一時的に鉄に亜鉛コーティングしたものが流通したり、けっきょく流通しなかったけどアルミニウムの硬貨も製造されたことがあるとか。
極論では、どのみちほとんど流通していない硬貨なので、いっそのことなくしてしまえばいい、なんてのもあるんだとか。
確かに消費税の端数で少しもらうくらいなんだよね。
でも、ペニー硬貨には思い入れの強い人もいて、そうもいかないみたい。

同じように5セント硬貨(ニッケル)も製造に5セント以上コストがかかっているとか。
これも原料のニッケルと銅の価格が高いためで、こっちも問題になっているみたい。
ちなみに、1セントや5セントは、使われている金属の価値の方が硬貨の価額より高いので、溶かして金属で売るともうけられるんだって。
なので、米国ではこれを法律で禁止していて、けっこうな罰金刑や禁固刑に処されるみたい。
でも、観光地では1セント硬貨をつぶして記念品にする機械があるけど、それは大丈夫なのかな?

で、この事情は日本でも同じなんだよね。
日本の1円玉は製造コストが2円弱と言われているのだ。
これは原料のアルミニウムが高いことと、加工コストもけっこうかかっているからなのだ。
アルミニウムの場合は、ボーキサイトを推算かなとリムで処理してアルミナ(酸化アルミニウム)を作って、それを電気分解するのだ。
これは他の金属に比べて精錬コストが高いんだよね。
でも、日本の場合は消費税の導入でむかしよりはるかに1円硬貨が流通するようになったから、廃止はされないと思うのだ。
下手に低コストを追求するとプラスチックの硬貨ができるかもね(笑)

よく知られていることだけど、日本の硬貨はこっていて、1円玉は半径が1cm、重さが1gなのだ。
デザインは公募されたものなんだって。
5円玉の場合は、重さが3.75gでちょうど1匁(もんめ)。
むかしの1文銭と同じ重さで、同じように真ん中に穴が開いているんだよね。
デザインもこっていて、穴のまわりのぎざぎざは歯車で工業を、「五円」のまわりのしましまは波で水産業を、稲穂は農業を、裏面の若葉は林業をそれぞれ表していて、各種産業が盛り込まれているんだよ。
さらに、日本の硬貨で唯一アラビア数字がないものなんだって。
(これが外人には混乱のもとになるらしいけど。)

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