2007/08/07

日本の最高気温は山形県で記録された

米国には熱波が来ていて、ただでさえ暑い夏なのに、余計暑いのだ(>_<;)
中央部の方では40度超の気温も観測されているみたい。
体温以上だよ!
ほとんど温室にいるのと同じだよね。

で、そんな報道で思い出したのが、日本の最高気温は昭和8年に山形県で記録された40.8度ということ。
これってけっこう有名な話なんだよね。
豪雪地帯と思われる山形県だけど、最高気温のタイトルホルダー(?)でもあるのだ。
これは、かの有名な「フェーン現象」によるものと考えられているんだよね。
※今年の夏、日本の最高気温は埼玉の熊谷とギグの多治見で40.9度が観測されて更新されてしまったのだ!

フェーン現象というのは、アルプス山中に吹くフェーン(ドイツ語)という局地風から来た言葉で、他の地域でも同じようなメカニズムの現象が観測されることがわかってきたので、一般名称としても使われるようになったとか。
基本的には、湿った風が山を越える際に雨を降らし、山を越えて吹き下ろしになるころには乾いた、熱い風になる現象を「フェーン現象」と言うんだよね。
風が山にぶつかると、山に沿って上昇することになるんだけど、これはまわりと熱交換をすることなく上昇していくのだ。
で、高度が上がれば上がるほど気圧は低くなるので、空気は膨張していくんだけど、断熱状態なので、断熱膨張でその上昇している空気の温度は下がっていくわけ。
このとき、空気が湿っていると、ある程度気温が下がったところで飽和水蒸気圧に達して、水蒸気が凝結し始めるのだ。

これが雨になって降るんだけど、水蒸気は凝結する際に発熱するので、まわりの空気よりも気温の低下具合が少なくて、あたたかい空気になるんだ。
高度が100m高くなると気温は約0.6度下がるけど、湿った空気の場合は凝結熱による発熱のおかげで0.5度ほどしか下がらないので、1,000mの山の場合、まわりの空気より1度気温が高いわけ。
で、それが山を越えて、今度は山に沿って下降していくことになるんだけど、このときもやっぱりまわりの空気と熱交換しないので、断熱状態なのだ。
今度は下降していって、気圧は高くなっていくので、断熱収縮で気温は上がっていくんだけど、すでに余分な水分は雨として降らせてしまっているので、乾いているんだよね。
そうすると、まわりの空気よりも気温の上昇具合が大きくて、もっともっとあたたかい空気になるのだ。
乾燥した空気の断熱収縮の場合は、100m高度が下がると約1度温度が上がるので、1,000mの山だと、4度も暑くなるのだ。
こうして、1,000mの山越えの場合、のぼりで1度、下りで4度の計5度も気温があがってしまうわけ。
2,000mならその2倍の10度だよ! これは暑くなるはずだよね(>_<)


でも、空気が湿っていないと、のぼりの時の断熱膨張では、100m上がるごとに1度ずつ温度が下がるので、山を越えるともとの気温にもどるのだ。
ということで、湿った空気というのがポイントなんだよ。
山形の場合は日本海側から湿った風が吹いて、それが奥羽山脈を越えるときにフェーン現象が起きるというわけなのだ。
山形の人は、夏の暑さと冬の厳しさに耐えないといけないんだから、大変だよ。
その分、忍耐強い土地柄なのかな?

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