2007/08/27

缶詰

米国のスーパーに行くと、日本との違いに気づくんだよね。
それは、冷凍食品がやたらと多くて種類があって、逆にレトルト食品が少なめなこと。
缶詰も日本と比べて多くの種類があって、野菜、果物、肉、スープ、お惣菜などなどいっぱいあるのだ。

これにはどうも歴史があるようで、早くから缶詰の技術が発達していた米国では戦前にはかなり缶詰が普及していたのだ。
キャンベルのスープ缶やポーク・ビーンズ、ポパイで有名なほうれん草の缶詰なんかだよね。
さらに、冷蔵庫の普及も早かったので、その後には冷凍食品の時代がすぐ来たみたい。
こっちではほとんど家で料理することはなくて、外食するか冷凍食品をあたためるか、というくらい普及しているのだ!
で、この二つが普及していたおかげで、レトルト食品はそんなに普及していないみたい。

日本の場合、缶詰もそれなりにはあったけど、戦前は高級品でそんなに一般には普及していなかったんだよね。
それに、米国で発達しているスープ缶やお惣菜缶(ポーク・ビーンズとかチリ・ビーンズとか)、野菜の水煮缶といったものは日本の食生活にはそんなに合わないので、サバの水煮缶、焼き鳥の缶詰、カニ缶など独自の発達をとげていくんだよね。
そんな中、米国のアポロ計画の中で宇宙食用に開発されたレトルトパックが注目され、冷蔵庫が普及していなかった日本ではすぐに普及するのだ!
米国では軍が使うくらいだったんだけど、日本ではボンカレーがレトルト食品として発売され(ボンカレーはアポロ11号が月に到着する前に売り出されているのだ!)、一気にレトルト食品が発展していったのだ。
今でもカレーが多いけど、丼の具やパスタのソース、ハンバーグなどなどいろいろあるよね。
レトルトパックは缶詰の金属の缶がプラスチックの袋に置き換わったものだけど、軽くて調理も簡単なので普及したのだ。

缶詰はもともと食べ物を長期保存するために生み出されたものなんだけど、そのおおもとは、ナポレオンさんが戦場に持っていく食料の長期保存方法を公募したことによるのだ。
そのとき出てきたのが瓶詰めで、調理した食材を瓶に詰め、殺菌して長期保存できるようにしたんだよね。
でも、ガラス瓶は重くて壊れやすいので、これが後に金属缶に置き換わるのだ。
最初のころは殺菌が不十分で破裂するようなこともあったらしいけど、技術が発達してからは保存食の代名詞になるのだ。
(わざと中身を発酵させるために殺菌しない缶詰もあるけどね。)
で、今ではイージー・オープンといって、缶切りを使わなくてもプルトップで開けられるようになっているんだよね。
どんどん便利になっているのだ。

缶詰を殺菌するときは、調理済みの食材又は生の食材と調味液を缶の中に入れ、ふたをして高圧高温下で蒸すのだ(いわゆるオートクレーブというやつ。)。
このとき缶の中身に熱が加えられるので、その熱も考慮して中身を工夫するんだよ。
調理済みといっても半分しか火を通してなかったり、火が通りやすい野菜なんかは水と一緒に入れるだけだったりするのだ。
レトルトパックも同じような感じで、レトルトのカレーの場合、野菜は生の状態で入れて、加熱殺菌のときに火が通るようにするみたいだよ。
缶詰の場合は、加熱殺菌が終わると、最後に打検棒というパチンコ玉のような丸い玉が先についた棒でたたいて、音の反響で中身がおかしくないかどうか確かめるんだよね。
長年の経験がものを言うみたいだけど、音を聞いただけで缶のゆがみとか中身の状態を推測するんだからすごいよ!

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