2007/08/26

白いお米

これまでは前に住んでいた人が残していってくれた玄米を食べていたんだけど、いよいよ食べきったので、今日は米国で買った白米を炊いてみたのだ。
基本的に米国に来てからほとんどお米は食べていないんだけど、たまにカレーライスなんかが食べたくなるので、一応買っておいたんだよね。
すしがはやっているせいか、コシヒカリやあきたこまちといったブランド米もあったんだけど、ボクが買ったのは、アリゾナ州産のMedium Grain Riceというやつなのだ。

実は、これは一昔前の、いわゆる「カリフォルニア米」というやつで、日本のお米に比べるとほんの少し細長いのが特徴なのだ。
でも、食べてみた感じ、ぱさぱさするわけでもなく、べちゃべちゃにもならなかったので、なかなかおいしくいただけたよ。
かつては陸稲(おかぼ)なんて言われて敬遠されたものだけど、品種改良が進んだのか、日本人の口にも合うようなのだ。
中国人や韓国人の移民も多いから、需要があるっていうのもあるんだろうけど。

お米は大きく分けるとまずは「うるち」と「もち」に分かれるんだよね。
「うるち」が普段食べているお米で、「もち」はおもちにするもち米のことなのだ。
一般にうるちは粘り気が少なく、もちは粘り気が強いんだけど、これは主成分のデンプンの違いに由来するものなのだ。
デンプンはブドウ糖がらせん状につながった高分子なんだけど、うるち米の場合、分岐があって枝分かれしてつながっているデンプンのアミロペクチンのほかに、まっすぐ枝分かれなしでつながっているアミロースが含まれているのだ。
一方、もちの方はアミロースがほとんど含まれていないんだ。
このアミロペクチンの分岐が粘り気の正体で、枝分かれしている部分が互いにからみ合うことで粘性が出てくるんだよね。
なので、よりアミロペクチンの含有量の少ないうるちは粘り気が少ないのだ。

で、このうるち米もさらにお米の粒の大きさで種類が分かれるのだ。
主に産地の違いなんだけど、日本で食べられているのは粒が小さいジャポニカ種というもの。
日本のお米は短粒種というもっとも粒の小さい種類で、うるち米でも粘り気が強いのが特徴なのだ。
さらにジャポニカ種の中にはもう少しだけ粒の大きなものがあって、それが中粒種。
ボクが食べたカリフォルニア米があさにこれで、日本のお米に比べると少し細長くて、ちょっと粘り気が少ないからぱさぱさするのだ。
程度の問題だけどね。

タイ米に代表される細長いお米がインディカ米で、長粒種と呼ばれるもの。
非常にぱさぱさしていて、粘り気が少ないのが特徴なのだ。
こういうお米は水で煮て調理して、余分な水気を捨ててから少し蒸らして食べる、という食べ方をするんだよね。
日本や中国のようにお米を炊くわけではないのだ。
下手に炊こうとするとべちゃべちゃになっておいしくなくなるんだけど、ちゃんと現地の食べ方で調理するとそれなりにおいしいんだよ。
※日本のお米と同じと思うとびっくりするけど。

さらに東南アジアの島しょ部などで作られていてジャバニカ種という大粒のお米もあるみたい。
これは文字どおり大粒種というもので、お米の一粒一粒がとても大きくて、粘り気が少ないところはインディカ米に似ているみたい。
ブラジルやイタリアでも作っているらしいんだけど、パエリアやリゾットなどのお米を煮る料理に向いているそうだよ。

というわけで、世界にはいろいろなお米があるんだよね。
無理に日本式の食べ方をすると失敗するけど、それぞれのお米で伝統的に培われてきた食べ方をすればおいしく食べられるのだ。
まずはそれぞれのお米にあった調理法を勉強するのが重要だね。

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