2007/08/23

五里霧中

日本は暑いみたいだけど、米国北東部は涼しい日が続いているんだよね。
湿気があるのに気温が上がらないためか、いきなり涼しくなった最近は朝や夕方がガスっているのだ。
なかなか幻想的な雰囲気(^o^)/
で、気になったのが、これは「靄(もや)」なのか「霧(きり)」なのかということ。
どっちも同じもののような気がするけど、天気予報とかでは区別しているんだよね。
ということは、きっと違いがあるに違いない!、と思って、調べてみたのだ。

調べてみると答えは簡単で、どちらも空気中に微少な水の粒子が浮かんでいて視界が遮られる状況を差すんだけど、そのとき、視程(どこまで先が見えるか)が1km未満の濃いものを「霧」、1km以上の薄いものを「靄」と呼ぶようなのだ。
水の粒子ではなくて、エアロゾルが原因で視界が遮られるものは「煙霧」と呼ばれるようで、中国から来る黄砂なんかで起きるらしいよ。
「霧」の中でも特に濃いものは「濃霧」で、前がほとんど見えないような状況だと「濃霧注意報」が出たりするよね。

「靄」や「霧」が発生するメカニズムも単純で、大量の水蒸気を含んだ大気が何らかの原因で冷やされ、水蒸気の一部が結露して水の粒子になってできるのだ。
空気中の水蒸気の量が飽和水蒸気圧に達する露点温度より低くなるとこういう減少が起きるんだよ。
原理としては雲ができるのとまったく同じ。
雲との違いは、空中で水の粒子ができるか、地上近くでできるかだけの違いなのだ。
定義上は、空中にあって地面に接していなければ「雲」、地面に接していると「霧」となるみたい。
雲をいただく高い山に登ったとき、雲の中にはいると霧の中にいるような感じがするのは、そもそも両者には物理的な違いがないからなのだ(笑)

で、靄や霧ができるには気温が下がることが必要なんだけど、それにはいくつか原因があるみたい。
晴れた冬の日などに放射冷却で冷え切った地面に湿った空気が触れると、そこに靄や霧が発生するのだ。
そこまで行かなくても、地面近くで白いもやもやが見えることはあるよね。
それから、あたたかく湿った空気が冷たい海上や陸上を通るときに冷やされて発生する場合もあるみたい。
海上の霧の多くはこれが原因みたいで、この場合は範囲もわりと広くて持続時間も長いみたい。
あたたかい川や湖の上に冷たい空気が来ると、あたたかく湿った水の上の空気と冷たい空気が混ざって靄や霧が発生することもあるんだって。
冬に行きが白くなったり、お風呂に湯気がのぼったりするのと同じ原理だけど、寒い朝に川に出る霧なんかはこれみたい。
山に沿って湿った空気が上昇し、断熱膨張で冷えて霧や靄が発生する場合もあるみたい。
これは山に雲がへばりついているように見えるのだけど、山の地面に接しているので雲ではないのだ。
雲が流されてきて山にかかるのとは違うんだよ。

というわけで、けっこう単純な原理なんだけど、発生原因はいろいろとあるみたい。
ボクが今朝見たものは、放射冷却で冷えた地面に湿った空気が触れてできたものかな?
夜のうちにくもっていると、地面は熱を放射して冷えていくんだけど、雲が赤外線を吸収するので、空気は冷えないんだよね。
すると、あたたたく湿った空気と冷えた地面ができるのだ。
こうやって理屈がわかるとなんだかすっきりするねぇ(^o^)/

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