2007/08/19

かみなり

ボクが来ている米国東側は日本と同じで夏は蒸し暑い気候なんだよね。
しかも、夕立がよく降るところも似ているのだ!
いきなり雷が鳴って、ざーっと雨が降った入りするので、この時期はカサが手放せないんだ。
たいていはすぐやむので雨宿りできればやり過ごせることも多いけど。
そんなわけで、今日は雷のことが気になったので調べてみたのだ。

今では雷は静電気の放電現象だって広く知られているけど、むかしはそんなことよくわからなかったんだよね。
神様が天罰を下しているんだと考えたり、神様が地上に降りてくるときの光だと考えたりと、どうも超自然的なものと世界中で考えられていたみたい。
日本ではあんまり雷神の地位は高くないんだけど、ギリシアではオリンポスの主神ゼウスが雷の神様だし、インドでもインドラ(仏教では帝釈天)は非常に格の高い神様なのだ。
この雷が電気であることを証明したのは、米国の「すべてのヤンキーの父」ことベンジャミン・フランクリンさん。
雷の鳴り響く中、たこを揚げて、たこ糸の先に静電気を蓄積するライデン瓶をつないで、雷の正体が静電気であると確認したんだよ。
でも、これは自分に雷を落とす実験なので非常に危険で、まさに命がけのものだからまねしてはいけないのだ。
ちなみに、雷の被害を避けるための避雷針を発明したのもベンジャミン・フランクリンさんみたい。

雷のもととなる静電気は、雲の中の氷の粒が衝突したり、摩擦しあったりして発生するもので、そうしてできた静電気の電位差(電圧)が空気の絶縁の限界を超えると、雲の中で放電が始まるのだ。
放出された電子は空気の分子に衝突し、そこから陽イオンが生まれ、その陽イオンがまた他の分子にぶつかって電子が出て・・・、と雪崩現象で次々と電子や陽イオンが発生していくんだ。
こうしてさらに静電気が蓄積されていって、地上との間で電位差が一定の限界を超えると一気に放電して雷となるのだ。

雷は放電現象なので、基本的にどこに落ちるかは確率的にしか決まらないんだけど、「落ちやすいところ」に落ちるんだよね。
で、その「落ちやすいところ」というのは放電の経路が短いところのことなのだ。
むかしは金属のものに落ちやすいと言われたけど、どうもそれは俗信で、実際には高いもの、でっぱっているもの、とがっているものに落ちやすいのだ。
高い木のすぐしたなんかに非難すると、かえって落雷の被害にあるので危険なんだよ。
高い木などの落ちやすい場所から少し距離を置いて姿勢を低くするのがいいみたい。
開けたところだと何もないところにも落ちる可能性があるので、「落ちやすいもの」を避雷針代わりにして、そこから少し距離をとるのがいいそうだよ。
ちなみに、車に乗っている場合は車の表面を電気が流れてくれるので中は安全だとか。
かえって外に出ない方がいいみたい。

雷のゴーとかバリバリとかドーンという轟音は、セーターなんかで発生している静電気のばちっというのと基本的には同じみたいだけど、もっと規模が大きいので音もすごいし、震動・衝撃波もあるのだ。
雷の放電経路では空気の分子は数万度にも達するらしいんだけど、そうするとそのまわりの空気が爆発的に膨張して、真空状態が発生するのだ。
さらに、そこにまわりの冷たい空気が流入してきて、轟音と震動が生まれるというわけ。

日本では音を雷、光を稲妻と呼ぶけど、英語ではそれぞれthunderとlightningなんだよね。
ま、日本の区分けはあいまいで、かなりいい加減に使うけど(笑)
でも、雷の音と光で、どのくらい離れたところで発生しているか見当がつけられるんだよね。
光の速さは毎秒30万kmなのでほんの一瞬で届くわけだけど、音速はおよそ毎秒340mなので、光に比べるとかなり遅いのだ。
なので、遠くで雷が発生すると、先にぱっと光って、後から音が聞こえてくるわけだけど、光と音のタイムラグに音速をかけるとだいたいの雷の発生区域での距離がわかるんだよね。
3秒くらいのラグだったら1kmくらい離れているということなのだ。

なかなか落雷に遭うことはないと思うけど、雷の被害は山火事の原因になったり、送電線に影響して停電の原因になったりといろいろあるので、けっこう身近に影響が出るんだよね。
ボクは日本の自宅では光回線だったんだけど、雷の翌日に回線が不通になったことがあったのだ!
米国に来てからも雷の後にちょっとの間だけ停電になったよ。
こういうのは避けられないけど、近所に雷が落ちると電線を通じて家庭のプラグにまで過電流が流れてくることがあるので、電子機器が故障することもあるのだ。
なので、雷が近くで鳴っているときはパソコンなどの精密電子機器はコンセントを外しておいた方がいいんだよ。

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