2007/08/03

冷やせ!

うちの冷蔵庫はちょっとさぼりグセがあって、ときどき気を許すと(?)止まることがあるのだ。
たいていは古典的に冷蔵庫のうsろをちょっとたたいたりすると復活するので、冷凍庫内の氷が少し融けるくらいで大きな被害はないんだけど。
それでも、夏に冷蔵庫が止まるっていうのはちょっとこわいよね。
で、冷蔵庫の冷却の仕組みが気になって、調べてみたのだ。

冷蔵庫の冷却の原理はずばり「気化熱」で、人間が汗をかいて涼しく感じたり、打ち水をすると涼しくなるのと同じ原理だよ。
液体が蒸発して気体になるとき、まわりの熱を奪っていくのだ。
これが気化熱で、逆に気体を圧縮して液体にすると発熱するんだよね。
氷が融けて水になるときもまわりの熱を奪っていくんだけど、この場合は「融解熱」と言うのだ。
この気化熱と融解熱をあわせて「潜熱」と言うんだよ。

普通の家庭にある冷蔵庫は気化圧縮型というこの気化熱の原理を利用した冷蔵庫で、気化熱で吸熱して中身を冷やして、その熱を外部に放熱するというサイクルを繰り返しているんだ。
なので、冷蔵庫の後は暖かくて、その熱がうまく逃げるように設置してあげないと故障の原因になるんだよね。
冷蔵庫の後には冷媒の通るパイプがあって、外側では液体、中では気体になっているのだ。
外から中にはいるとき、細い管からいきなり太い管に変化させて減圧し、冷蔵庫の中の気化器(エバポレータ)を通過する間に液体の冷媒が気化するんだよね。
この時熱を吸収するので、冷蔵庫の中が冷えるのだ。
中から外に出るときはコンプレッサで電気の力を使って圧縮して高圧の気体にするのだ(冷蔵庫のゴーっていう重低音はこのコンプレッサの音だよ。)。
で、外に出た高圧のガスは冷蔵庫のうしろの放熱器(コンデンサ)で放熱しながら液体にもどるというわけ。

むかしはこの冷媒にフロンを使っていたんだけど、オゾン層を破壊することがわかってからは使われなくなったんだよね。
フロンは圧縮しやすくて、可燃性もないのでスプレー缶なんかにも使われていたんだけど、今では代替のガスが使われるようになってきているのだ。
冷蔵庫の場合はイソブタンなどが冷媒として使われているんだって。
フロンが禁止になる前から一部では使われていて新しいものではないんだけど、フロンが禁止になたので広く使われるようになったとか。

気化熱を使った冷蔵庫としては、もっと単純な作りのものもできるんだ。
それは人間が汗をかいて体を涼しくするのと同じように、表面をぬらして、その水分が蒸発していくときの気化熱を利用するのだ。
実際にあるのは、活性炭にちょとちょとと水をかける方式で、活性炭の表面はでこぼこで表面積が大きいから、水を蒸発させて気化熱を奪わせるのにはちょうどいいのだ。
氷ができるまでは冷やせないけど、けっこう冷却効果があるみたいだよ。
夏休みの自由研究かなんかで、活性炭にちょろちょろ水を垂らす方式でジュースがどこまで冷やせるか、なんて実験したらおもしろいかも。

ちなみにひょうたんはむかし水筒のように使われていたんだけど、ひょうたんはもともと植物なので、細かい穴が無数にあって、そこを通じて中身が少しずつ蒸発していっているのだ。
なので、ひょうたんに水を入れておくと、少し冷たくなるんだよ。
これもまさしく気化熱の原理。
普通の水筒とひょうたんに水を入れて、それを外に置いておくと中の水の温度変化がどうなるかなんて比べるのも夏休みの宿題にはおもしろいかも。

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