2007/09/05

こんがりと

なんでだかよくわからないけど、米国の日差しは強いんだよね。
気温がそんなに高くなくても、日差しが強くてものすごく暑く感じることがあるのだ。
それに、当然のことながらすぐに日焼けしてしまうので、特に日焼けに弱い白人系の人たちは日焼け止めクリームをよく塗っているよ。

日焼けは紫外線による起こる現象で、実は2段階の現象なのだ。
最初の現象は日焼けしてすぐに肌が赤くなる現象で、これは紫外線により皮膚が損傷して炎症を起こしている状態なんだ。
やけどに近い状態なんだよね。
紫外線は波長の長さで、長い方からUVA、UVB、UVCと分かれるんだけど、UVCはほとんど大気中で吸収されてしまって地表には届かないのだ。
で、このやけどを起こすのはUVB。
神秘まで紫外線が到達して、その紫外線のエネルギーで皮膚組織が傷ついて炎症が起こるんだけど、ひどい場合には水ぶくれや発熱、痛みが伴うのだ。
これを防ぐのがいわゆる日焼け止めなんだ。
もし赤くなって炎症がきつい場合は、とにかく冷やして炎症を抑えるのが大事なのだ。

次の現象が皮膚が黒くなる現象。
小麦色の肌ってやつだよね。
これは、炎症を起こす紫外線より波長の長いUVAによるもので、このUVAが皮膚に到達すると、皮膚の中のメラノサイトが反応してメラニン色素を作るのだ。
このメラニン色素が「日焼け」の黒いいろのもとになっているんだけど、このメラニン色素は有害な紫外線を吸収する働きがあって、メラニン色素が増えると上の炎症も起こりにくくなるのだ。
なので、体の防衛反応として起こっている現象なんだよ。
よく、瞳から入った光でも日焼けする、なんて言うけど、それは強い光を脳が認識して、メラニン色素を作って防御しようトスらだと思うのだ。

強い紫外線は直接皮膚のタンパク質などの高分子を破壊したりするんだけど、それだけじゃなく、遺伝情報のつまっているDNA(デオキシリボ核酸)にも損傷を与えるのだ(代表的なのは、核酸塩基のひとつのチミンが連続して並んでいるところでできるチミン・ダイマーで、2つのチミンが紫外線による化学反応でくっついてしまうのだ。)。
そうすると、傷がついたままでは複製もできないし、そこからタンパク質の情報も読み出せないので、一応修復機能が備わっているんだよね。
でも、これはそんなに
性悪に修復してくれるものじゃなくて、たまーに間違うんだよね。
中には治せない傷なんかもあって、そういうDNAレベルの損傷が発がんリスクにつながっていて、ひどい日焼けは皮膚がんになる、と言われる由縁なのだ。

でも、この紫外線は悪いことばかりをしているわけでもないんだよ。
骨の代謝に重要なビタミンDは、皮膚で紫外線を受けて活性型になるのだ。
なので、骨の健康を保つためには、日の光にキチンと当たることが重要なんだ。
サプリを飲んでいるだけじゃダメなんだよ。

それに、日の光を浴びるのはホルモン・バランスを調節する上でも重要なのだ。
人間の体の時間のリズムは、脳の中の松果体というところで作られるメラトニンというホルモンの濃度の増減で調節されていると言われるのだ。
昼に低くて夜に高いんだけど、日の光を浴びないと、この調節が狂ってくるわけ。
というのも、人間の体はもともと25時間周期にできていて(これは日の光を遮って、一切外界から遮断された部屋の中で人間を生活させると25時間周期の生活をするようになるという実験から明らかにされているのだ。)、日の光を浴びることでそれを太陽と同期する24時間周期に修正しているんだよね。
日の光を浴びないと今調節がうまくできないので、どんどん体の中の時間と実際の時間がずれてきて、睡眠障害が出たりすることになるのだ(時差ぼけはまさにこれだよ。)。

さらに、あまり日の光を浴びないと「うつ」に近い状態になることが知られていて、季節性うつなんて呼ばれるのだ。
北欧なんかでは冬には昼の時間がとても短くなるので、日焼けサロンのように紫外線を含む強い光を浴びる装置があったりするのだ。
冬の間になんとなくけだるいなぁ、と思ったときは、天気のよい昼間に散歩したりすると治ったりするんだよ。

何はともあれ、過度の日焼けはよくないけど、日の光に当たること自体はよいことだし、必要なことなのだ。
しっかりと対策をした上で、日光浴を楽しむのがよいみたい。

0 件のコメント: