楽団のなぞ
今日はワシントン・ナショナル・オーケストラ(Washington National Orchestra)の無料コンサートがあったので、聴きに行ったのだ。
クラシック音楽のコンサートは堅苦しそうで敬遠しがちだけど、無料コンサートだけあってくだけた雰囲気で楽しめたよ♪
でも、そこで気になったのが、楽団の名前。
英語では、orchestraやphilharmonyがあるし、日本語でも交響楽団と管弦楽団という言葉があるよね。
きっと何か楽器構成とか規模とかが違うのだろうと思って調べてみたんだけど、結果としては、どれも特に違いはないみたい。
固有名詞としてどれかがついているだけで、基本的には「オーケストラ」というくくりだそうだよ。
現在の形式のオーケストラは欧州でオペラの伴奏をする楽団から発展してきたもので、今でもオペラの伴奏は重要な役割のひとつなんだよね。
国立の楽団でもない限り、クラシックのコンサートと楽曲の販売だけでオーケストラの大所帯を維持するのは難しいそうなのだ。
楽器を演奏する人だけじゃなくて、裏方さんも入れると相当な人数だよね。
オーケストラの語源はギリシア語の「オルケーストラ」だそうで、これは舞台と客席の間の反映系のスペースのことだとか。
ちょうどそこでは合唱隊が舞を踊っていたりした場所だそうだよ。
時代が下ってオペラが上演されるようになると、そこはいわゆる「オーケストラ・ピット」になって、伴奏音楽を演奏する人たちの居場所になるのだ。
それでその楽団のことがオーケストラと呼ばれるようになったんだろうね。
もともとは弦楽合奏がメインで、それに木管楽器などが加えられていき、徐々に楽器の数が増えていったとか。
オーケストラの基本は、バイオリン、チェロなどの弦楽器、トランペット、クラリネットなどの管楽器、シンバル、マリンバ、ティンパニーなどの打楽器の三種類なのだ。
さらに、楽曲によってはピアノやハープ、パイプオルガンが加えられたりするよね。
ピアノが登場するまでは独特な乾いた後のするチェンバロなんかが使われていたのだ(チェンバレンはより弦楽器に近い音がするんだよね。)。
実は、この構成は日本の雅楽も同じで、雅楽の場合、笙(しょう)、龍笛、篳篥(ひちりき)などの管楽器、琵琶、箏(こと)などの弦楽器、各種太鼓の打楽器から構成されているのだ。
日本の雅楽は中国や朝鮮半島の伝統音楽とも深い関係があるそうだけど、洋の東西を問わず、フルの楽器構成となるとどうしてもこうなるのかな?
でも、日本では平安時代にはこの構成になっていたから、欧州よりも数百年も早くそろい踏みになっているのだ(笑)
雅楽も純粋に音楽を聴くものではなくて、基本的には舞とセットなんだよね。
後に発展した能や歌舞伎も音楽と舞・演劇がセットになっているよね。
中国の京劇なんかもそうだよ。
こういうところもやっぱり洋の東西を問わず共通なところがおもしろいよ。
こうして楽団による演奏は演劇・歌劇・舞とともに発展してきたのだ。
今では音楽だけを切り取って鑑賞するようになったけど、音楽が独り立ちできるだけ発達したということなのかも。
引き立て役だったものがいつしか主役になったということなのだ。
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