2007/09/13

首班指名

びっくりしたことに、第二次内閣が発足したばかりの安倍首相が辞意を表明したのだ!
これにより急きょ新しい総理大臣を選ぶ必要が出てくるんだよね。
開催されたばかりの臨時国会も始まったばかりだし、かなり異例なことなのだ。

日本の場合は政党政治なので、「党議拘束」というのがあって、与党の議員は党で決定した案に必ず賛成しないといけないのだ。
もし賛成しなかった場合、懲罰委員会で議論されてペナルティがかけられるんだけど、最悪の場合は郵政民営化の時のように除名されるんだよね。
なので、まずは与党内で誰を総理大臣として指名するかを決めることが重要なのだ。
で、それを今のところ14日告示で19日に投票というスケジュールでやろうとしているんだよね。
自民党内で候補が決定した後、連立与党のパートナーである公明党に協議した上で、与党として誰を指名するかが決まるんだ。

それが決まると、今度は国会で「首班指名選挙」が行われるんだよね。
内閣総理大臣は憲法第67条の規定により、国会議員の中から国会議員の議決により指名することになっているのだ。
で、両議院で意見が一致しない場合は、国会法第86条の規定に従って参議院が両院協議会を求めなければいけないのだ。
この両院協議会は、国会法第89条の規定で両院の議員それぞれ10名から構成されることになっていて、出席議員が定員の3分の2以上でないと議事は開けず(国会法第91条)、協議案は出席議員の3分の2以上の多数で可決された場合に成案になるんだ(国会法第92条)。

今回の場合、参議院では民主党が多数派なので、当然衆参両院で指名者は異なるはずで、この両院協議会のスキームが適用されるのだ。
でも、ほぼ確実に成案が得られることはないから、その場合は憲法第67条により衆議院の議決が国会の議決とされるので、衆議院で指名された人が総理大臣になるんだ。
ちなみに、衆議院が議決をしてから国会の休会期間中を除いて10日以内に差議院が議決をしない場合も衆議院の議決が国会の議決となるのだ。
というわけで、多少時間はかかるだろうけど、今回も与党で指名した人が総理大臣になるというわけ。

この指名の祭の議決のシステムはなかなか独特で、各議員で過半数の票を得ないといけないのだ。
なので、候補が3名以上いて、トップの人の票数が過半数に満たない場合は、上位2名で決選投票をして、過半数を越えた方の人を指名するんだよね。
なので、もともと2位だった人がより多く3位以下の人の票を得て逆転することもあり得るわけ。
さらに、これまで例はないけど、同率2位の人が複数いる場合は、くじ引きで決選投票に進む人を決めるそうだよ。
箱に銀紙でくるんだ玉が入っていて、黒玉をひくと当たりなんだとか。

それと、今回のように内閣総理大臣が辞任した場合は、憲法第70条の規定で内閣は総辞職しないといけないんだ。
でも、同じく憲法第71条の規定で、新しい内閣総理大臣が決まるまでは内閣はその職務を引き続き行うことになっているのだ。
というわけで、各国務大臣は次の内閣総理大臣が指名されるまでの1~2週間は大臣としての仕事をすることになるわけ。
話題の舛添厚労大臣もまだ少しだけ任期が残っているということなのだ。

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