2007/09/24

歌劇

今日はワシントン・ナショナル・オペラ(Washington National Opera)の「Opera on the Mall」という企画で、オペラのライブ中継を芝生の上で見たのだ。
無料のプログラムで、普段オペラを見ないような人にも親しんでもらう取組の一環みたい。
で、せっかくなので、オペラについて調べてみたよ。

オペラはイタリア発祥の歌劇で、もともとはルネサンス後期にフィレンツェで古代ギリシアの歌劇を復活させようという動きから出てきたものみたい。
歌うように台詞を言う劇という発想で脚本が書かれ、現存していないものの、16世紀末には今のオペラに近い歌劇が演じられたみたい。
もともと「オペラ(opera)」という単語はイタリア語で「仕事」、「作品」といった意味で(英語で言うとoperationに近いんだろうね。)、当初は「opera musicale(音楽的作品)」と呼ばれていたものが単にオペラと呼ばれるようになったらしいよ。
今では「単独で歌唱によって進行される演劇又は楽曲作品」を総称してオペラと呼ぶそうだよ。

似たようなものにミュージカルがあるけど、お互いはっきりしたボーダーラインがあるわけじゃないみたいだけど、それなりにはっきりした違いがあるのだ。
ひとつは発声法の違いで、ミュージカルは普通に歌うように歌うけど、オペラは独特の歌唱法を用いるんだよね。
これは使われる音楽にも関係していて、オペラは基本的にクラシック音楽を背景にするんだけど、ミュージカルはどのジャンルの音楽でもよいのだ。
さらに、ミュージカルの場合はダンスも大きな要素で、コーラスラインやウェストサイド・ストーリーなんかに代表されるように、歌って、踊って、演劇を進めるのだ。

イタリアで始まったオペラは人気を博し、専用の劇場も作られるようになるのだ。
音響がよく響くように円形に作られ、舞台の下には交響楽団の入るピット(オーケストラ・ピット)なんかがあるんだよね。
さらに、新国立劇場なんかを見学するとわかるんだけど、舞台の奥行きがよく見えるように、舞台が少し斜めになっていて、手前が低くて奥が高いようになっているのだ。
こうすると観客席から舞台の上が立体的に見えるというわけ。
なかなかこっているんだよね。

最初は古代ギリシアの歌劇を復活させようとするものなので、題材も古代ギリシアや古代ローマからとった悲劇が多かったみたいだけど、その合間に入れられた喜劇も人気が出てきて、バリエーションが増えていったみたい。
さらに、はじめはオペラ問えばイタリア語、というのが基本で、どこの国でもイタリア語で上演されたようなんだけど、終えらが発達して行くにつれてフランス語やドイツ語のオペラも作られるようになっていったとか。
これはオペラの演目の発達とも連動していて、お国柄や文化を反映して新たな作品が次々と生まれていったみたいだよ。
こうして今上演されているような様々なオペラの台本が生まれていくことになるのだ。

この動きの中でもうひとつ重要なのは、最初のころのオペラは歌手が主体で、歌を聴かせることに集中するあまり台本が荒唐無稽で無意味なものになっていく傾向があったらしいんだ。
(今でもミュージカルに比べるとその傾向があるとよく言われるらしいのだ。)
これに反発して、あくまでも演劇主体で、歌手はその演劇で重要なパートを占めるけどすべてではない、というような流れで、台本重視になったみたい。
これによって、現在でも人々に愛されるようなオペラの演目が残ったのだ。
歌手の声に頼っているだけだったらコンサートと同じで、ここまで文化として発達しなかっただろうしね。

なかなか奥が深い世界のようだけど、今日はその一端をかいま見たよ。
日本ではどうしてもオペラのチケットは手に入りづらいし、何より高価なんだよね。
なんとなく雰囲気はわかったから、機会があったらチャレンジしてみようかな?

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