2007/10/03

イワシの油漬け

米国に来てからぐっと魚を食べる機会が減っているんだよね。
スーパーなんかで生魚は売っているけど、何より高いし、見たこともない魚も多いのだ!
日本だと一人の一用のお刺身とか切り身も売っているけど、こっちではそういうのもないから敷居が高いっていうのもあるんだよね。
そんなわけで、家で魚を食べるとすると、シーチキンかオイルサーディンになるのだ。

オイルサーディンはこっちに来てからはじめてまともに食べたんだけど、思っていたより生臭くなくて、パスタのソースに使うとなかなかいけるのだ。
シーチキンだとサンドイッチとかにも使えて便利なんだけど、パスタにするならボクは断然オイルサーディンの方がおいしいと思うね。
シーチキンも健康志向で「水煮」缶が出ているけど、オイルサーディンも同様で、「水煮」や「トマト煮」、「マスタード煮」など種類があるみたい。
油につかっていない自演ですでにオイルサーディンじゃないんだけどね(笑)

オイルサーディンはその名のごとく、サーディン(イワシ)を油に漬けたものなのだ。
日本ではめざしや煮干しにするカタクチイワシみたいだよ。
油漬けにして缶詰にいれて加熱殺菌(オートクレーブ)したのがオイルサーディンで、水煮の場合は油の代わりに様々な味のスープを使うのだ。
英国ではニシンの燻製やフィッシュ・アンド・チップスで白身の魚を食べる文化があるけど、オイルサーディンもそういう数少ない欧米の魚食文化なのだ。

似たようなものにアンチョビがあるけど、これは違うものなんだよ。
アンチョビの場合はカタクチイワシを一度塩漬けにして発酵させてから油に漬けたもので、ただ油に漬けてるだけのオイルサーディンより味に深みが出るというわけ。
より塩っ気があるのも一度塩漬けにしているからなのだ。
アンチョビは発光させてタンパク質を分解させているからオイルサーディン以上にもろくて、オイルサーディンが一応イワシの形を残しているのに対して、アンチョビだと身が崩れていることが多いんだよね。
ちなみに、日本でアンチョビというとこの加工食品を指すけど、もともとはカタクチイワシ類のことをアンチョビと呼んでいて、食材の名前というより材料の名前のようなのだ。

カタクチイワシはニシン目でニシンの仲間なんだけど、ニシンの塩漬けを発酵させた缶詰と言えば、世界一くさい食べ物のひとつと言われるシュールストレミングというのがあるよね(くさやの6倍くさいとか!)

これはスウェーデンの缶詰なのだ。
缶詰にしてから発酵させるのでしばしば缶がゆがんだり、破裂したりするのだ。
新鮮なニシンを樽の中で1~2ヶ月塩漬けにして、発酵が始まっているニシンを殺菌せずに缶に詰めるので、缶の中で発酵がさらに進むことになるのだ。
あまり放置しておくと身がぼろぼろにとろけてしまうそうだよ。

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