2007/10/21

ロシアの軽食と言えば

今日はDCの北部にあるロシア正教の教会で開かれていたロシア・バザールをのぞいてきたのだ。
イベントとしては小規模だけど、なかなか手作り感がたっぷりで親しみやすい感じ。
で、今日はそこでロシアの軽食の代表格のピロシキを食べてきたんだよね。
日本だと揚げてあるイメージがあるけど、本場では揚げることは少なくて、焼くことが多いんだって。

ロシアのピロシキは小麦粉を練って作った生地に具を入れた惣菜パンのことで、油で揚げることもあるけど、オーブンで焼くことが多いそうだよ。
生地はパン生地やパイ生地などいろいろ使われていて、いわゆる定型の「ピロシキ」というイメージはなくて、惣菜パン又はパイ一般がピロシキと呼ばれるようなのだ。
具も多種多様で、肉類、魚介類、野菜類なんかを好きなように入れみたいで、これが入っていないとダメ、というのもないみたい。
ジャムや果物を入れてお菓子のように甘くするピロシキもあるそうだよ。

ピロシキは中国の点心(具の入った饅頭である包子や餃子など)の文化が西に広まってって、ロシアでも根付いたと考えられているのだ。
イタリアのラビオリは餃子がもとになっているなんて言われるけど、ピロシキも包子(日本で言う中華まん)や餃子、春巻きなんかの子孫なのかも。
ロシアでは伝統的な家庭料理として親しまれているほか、ピョートル1世の治世の17世紀後半には街角でも売られるようになっていたとか。
まさにロシア発のファースト・フードなんだけど、このピロシキは東欧諸国や旧ソ連領の中央アジア、イランなんかにも広まっていたみたい。

日本では肉、玉ねぎ、卵などを包んで油で揚げたものが一般的だけど、この日本風ピロシキはカレーパンの発想につながったとも言われているんだって。
確かに日本のピロシキというと揚げた中華まんとか、辛くないカレーパンというイメージがあるけど、中華まんからピロシキ、そこからカレーパンと一続きのものなのかもしれないね。

そのおおもとにいる中国の饅頭(マントウ)は、三国志演義によって諸葛亮孔明さんが発明したと広く信じられているんだけど、どうもこれはフィクションの可能性が高いんだって。
最初の饅頭は具の入っていない中華風蒸しパンで、酵母を入れて発効させてから蒸して作るところがいわゆる蒸しパン(こっちは重曹を使ってふっくらとさせるのだ。)との違いなのだ。
で、時代が下るとこの饅頭に具をはさんで食べるようになり、さらに、はじめから中に具を入れて蒸し上げるようになってきたのだ。
北宋時代には中に具が入っているものを「包子(パオズ)」、具の入っていないものを饅頭と区別するようになったそうだよ。

日本への饅頭の伝来は二つ説があるみたいだけど、13世紀から14世紀に禅宗を通して伝わったようなのだ。
お茶と一緒に食べるもの(飲茶の思想だよね。)として伝わったんだけど、日本の仏教では肉食を禁じていたので、肉の代わりに小豆を使った餡を入れるまんじゅうが考案され、これが多様に変化していって今の日本のまんじゅう文化があるのだ。
温泉土産といえばまんじゅうあ定番だし、すでに小麦粉の皮を使っていない水まんじゅうや麩まんじゅうなんてのもあるよね。
ボクは酒種を使って作る酒まんじゅうが好きなのだ。
群馬県には上州名物焼きまんじゅうなんてのがあるけど、これは串に(多くの場合餡の入っていない)まんじゅうをさして、サトウや水飴で甘くした味噌だれをつけて焼いたものなのだ。
群馬県人には郷愁を誘う味ということなんだけど、「名物にうまいものなし」の代表例によく使われちゃったりするんだよね(笑)

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