2007/10/14

観音菩薩の化身

今年もノーベル平和賞の受賞者が発表されたけど、今米国には、1989年にこのノーベル平和賞を受賞している、チベット仏教の最高指導者のダライ・ラマ14世が来ているのだ。
登山家との交流を描いた映画の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」という映画も一時期話題になったけど、米国でもかなりメジャーな存在なんだよね。
今回の渡米は米国議会勲章の授与式に出席するためで、ブッシュ大統領はホワイト・ハウスに招待しているんだって。
ということは、DCに来るから、うまく行けばボクもご尊顔が拝めるかも。

ダライ・ラマというのはチベット仏教の最高指導者を指す称号で、「ダライ」は「大海」を、「ラマ」は「師」を意味しているんだって。
歴代のダライ・ラマは観音菩薩の生まれ変わりと考えられていて、先代のダライ・ラマが亡くなると、チベット仏教の高僧たちによって次のダライ・ラマが生まれる地域や、持っている特徴が予言されるのだ。
それをもとにダライ・ラマの生まれ変わりを探し出し、前世の記憶があるかどうか、先代のダライ・ラマが気に入っていたものを認識できるかどうかテストしたり、先代のダライ・ラマと同じくせがあるかどうかなんかを見極めるんだって。
こうしてダライ・ラマの生まれ変わりだと認定されると、ラサにあるポタラ宮においてチベット仏教の最高指導者となるべく英才教育を受けることになるのだ。

このシステムはかなりよくできたシステムだと考えられていて、世襲とかではなくて、先代のダライ・ラマの生まれ変わりであるという神秘性を持った子どもに英才教育を施して、最高指導者として的確な人物を作り上げるんだよね(帝王学の中の帝王学なのだ!)。
チベットではダライ・ラマが事実上の統治者として国を統治していたんだけど、これにより統治者としてふさわしい人物が常に統治できる体制が構築できるのだ。
ま、こういうことを言うと怒られちゃうんだけど。

でも、1949年に中国の人民解放軍がチベットに進行してからは、現在のダライ・ラマ14世はインドに亡命し、そこでチベット亡命政府を樹立したんだよね。
で、世界各地を回って中国の人権侵害問題や、チベットの自治権の回復などを訴えているのだ。
宗教的な活動だけじゃなく、こうした活動の実績が認められてノーベル平和賞を受賞したんだよ。
今回のように各国の首脳陣と会おうとすると、中国から外交ルートを通じて横やりが入ることが多いんだって。
もちろん、日本に来たこともあるんだよ。
ただし、来日の際は中国に配慮して政治活動を行わないことを条件に入国を認めることにしているんだって。
こうして、現在のダライ・ラマ14世は、既に宗教という枠組みを越えて活躍しているんだよね。
ボクの尊敬する人物の一人でもあるなのだ。

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