2007/10/07

秋の色合い

今日、街を歩いていたら、カエデの葉が赤く紅葉しているのを発見したのだ。
米国の木の多くは黄色くなる種類はそれなりにあるんだけど、赤く色づく木はほとんどないんだよね。
なので、日本のように紅葉を楽しむという習慣はないんだけど、カエデの紅葉を発見できて少しうれしかったのだ。
そこで、紅葉のメカニズムを調べてみたよ。

一般的に紅葉は落葉樹の葉が落ちるときに赤や黄色に色づくことを指していて、色ごとに、赤くなれば紅葉、黄色くなれば黄葉(おうよう)、褐色になれば褐葉(かつよう)と呼び分けるんだって。
赤くなるものの代表としてはモミジ(イロハカエデ)やカエデ、黄色くなるものの代表はイチョウ、ポプラ、ケヤキ、褐色になるものの代表としてはブナ、スズカケノキ(プラタナス)などがあるのだ。
サクラやウメ、モモなんかもちょっと紅葉して、葉が落ちる前に淡い黄色になって、紅葉がゆっくりと進むと赤い色も出てくるのだ。
上野のお山なんかはわりときれいに紅葉するんだよね。
桜並木は春だけじゃなくて秋も楽しめるんだよ。

紅葉は段々寒くなってきて、日照時間が短くなり、昼夜の温度差が大きくなるとスイッチが入ると考えられているのだ。
昼間はまだ暑いと感じるような陽気でも、日照時間が短くなっていて、夜の冷え込みが厳しくなっていれば一気に紅葉するんだよ。
でも、夜の冷え込みが弱いと、紅葉のスピードはとても遅くなるのだ。
昨年はけっこう冷え込みが弱くて紅葉が遅れたんだよね。

植物の葉っぱは基本的に中に含まれている葉緑素によって緑色に見えるんだけど、紅葉するときはこの葉緑素がなくなって、新しい色素が合成されたり、緑の強い色素がなくなってもともと持っていた色素が見えるようになったりして色が変わるのだ。
赤くなる場合はアントシアニンという色素に由来していて、これは葉の中に含まれる糖が紫外線で化学変化を起こして生じるのだ。
モミジを含むカエデは葉の中に微量の糖を含むことで有名で、葉をかじると少し甘いんだよ(ほとんど甘みを感じる量は入っていないんだけど。)。
特に糖の含有量が多いのはメープルシロップをしぼるサトウカエデなのだ。

黄色くなるものはカロテノイド系の色素によるもので、これはもともと葉っぱに含まれている色素なのだ。
イチョウなんかは普段から黄緑色の葉っぱだよね。
緑が抜けて黄色が目立つようになるというわけ。
褐色のものはタンニンによるもので、黄色と同じようにはじめから含まれている色が、緑が抜けて見えるようになるというわけ。
これらは新しく色素が作られるわけではないから、だらだら紅葉が進むと色合いが汚くなったり、紅葉が完了する前に葉が落ちてしまったりするんだよね。

世界でも紅葉狩りのようにわざわざ出かけて紅葉を楽しむ、という文化を持っているのは日本だけのようなのだ。
きっと中国や朝鮮半島にも赤く色づく木はあるし、中にはそれを楽しんでいる人もいるんだろうけど、全国的な行事にまではなっていないんだよね。
それを考えると、日本時は四季の移り変わりを楽しむ傾向があるのかも。
冬のウメ、春のサクラ、夏のショウブ・アヤメ・アジサイ、秋の紅葉、と1年を通じて庭をかざって楽しむ文化があるよね。
こういうのは大事な文化なので残していきたいものなのだ。

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