2007/10/16

白色吐息

米国もやっと秋めいてきて、昼間も暑いとは感じなくなったし、朝夕はだいぶ冷え込むようになったのだ。
で、びっくりしたのは、今朝、吐く息が白くなったんだよね。
気温は10度未満だと思うんだけど、それでもつい先週まではかなり暑い日々が続いていたので、急激な変化にびっくりだよ。

この吐く息が白くなるという現象は、やかんから出る湯気が白いのと同じなのだ。
人間の体の中はだいたい37~38度くらいに保たれているんだけど、当然その中から出てくる息も同じくらいの温度なんだよね。
さらに、口から出る息は口内の湿気もあってかなり湿度が高いのだ。
それが冷たい外気に触れると一気に温度が下がってしまって、水蒸気が凝結して水のこまかい粒子ができるのだ。
これが白い息の正体。

やかんや鍋から出る湯気や温泉の湯気が白いのも、たくさんの水蒸気を含んだ暖かい空気が冷たい空気に触れて水蒸気が凝結するからなんだよね。
よくよく比べてみるとわかるけど、夏より冬の方が湯気がはっきり見えるのだ。
温泉なんかだとよりわかりやすいけど、これは外気温がより冷たくて、凝結してできる水の粒子の量が多いのでより「くもる」というわけ。
メガネをかけていると食べ物(特に鍋とか)の湯気でくもることがあるけど、しばらくするとメガネがぬれた状態になっていることがよくわかるのだ。
これはメガネに触れて湿気の多い空気が冷やされて、そこで水蒸気が結露するからなのだ。

実は、梅雨前線も同じような仕組みで発生していて、南から来るあたたかい小笠原高気圧(太平洋暖気団)と北から来る冷たいオホーツク海高気圧(シベリア寒気団)がぶつかってできるのだ。
この二つの気団がぶつかると、あたたかくて湿っている太平洋暖気団が冷やされて、中の水蒸気が凝結するんだよね。
で、その凝結してできた水の粒子が雲になって雨を降らせるというわけなのだ。
規模は違うけど、息が白くなるのと前線の雲ができるのは同じ原理なんだよ。

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