2007/10/05

寝る薬(=_=)zzZ

米国ではよくテレビで睡眠薬のCMを見かけるんだよね。
日本でも最近はだいぶ増えてきたけど、もともとこっちは規制がゆるくて、処方せんなしで市販で変える薬(OTC:Over the Counter)が多いということもあると思うのだ。
日本の場合は長らく睡眠薬は処方せんがないと変えなかったんだけど、作用がマイルドなドリエルとかは市販されるようになったんだよね。

いわゆる「睡眠薬」は睡眠導入剤という薬剤で、過剰な脳の活動を抑える作用があるのだ。
なので、使い方によっては抗不安剤や鎮静剤と呼ばれることもあるのだ。
多くの不眠や寝付きの悪さは、体は疲れていて身体的には睡眠を必要としているんだけど、頭はさえていて、精神的には興奮状態が続いている、というアンバランスなことが起きている結果と考えられているんだ。
で、その興奮状態を抑制することで睡眠に導こうというわけ。
種類によって作用する時間が違っていて、長短時間の作用で寝付きだけ改善するもの、短時間の作用で自然な眠りにつなげるもの、もっと長い作用でじっくりと睡眠をもたらすものなどに分かれるんだ。

実は、この種類の薬の作用が強いものは向精神剤や抗うつ剤などに使われていて、作用機序(薬の効くメカニズム)は同じで興奮し過ぎている精神を鎮めるのだ。
いわゆる「うつ」の状態も、とにかく考えすぎて思考が負のスパイラルに陥っている状態と考えられていて、実際にこういう安定剤・鎮静剤を投与すると症状が緩和されるんだよね。
でも、そういう作用の薬なので、副作用として頭がぼーっとする、記憶力が低下するなどの脳の思考力の低下から来るものが見られるのだ。
他にも、なぜかはよくわからないけど、悪夢を見るなんてのもあるんだよね。
さらに、無理矢理に薬で睡眠に持って行っているので、寝覚めがすっきりせずに眠気が持続する、集中力がなくなる、なんてのもあるんだよ。
というわけで、きちんと用量・用法を守って、自分に合った薬を使うことが重要なのだ。

この睡眠導入剤の他には睡眠改善薬と呼ばれるものがあって、ドリエルはその代表なのだ。
ドリエルの主成分は旧世代の抗ヒスタミン剤である塩酸ジフェンヒドラミンという薬で、体内のヒスタミン受容体をブロックするのだ。
かつては抗炎症剤や抗アレルギー剤なんかで使われていて、風邪薬にもよく入っていたのだ。
でも、副作用で「眠くなる」、「集中力がなくなる」というのが知られていたんだよね(風邪薬を飲んだときは自動車の運転をしちゃいけないっていうのはこのためだよ。)。
で、この副作用を逆手にとって、「眠くなる」作用を利用しているのがこの睡眠改善薬としての使い方なのだ。
ジフェンヒドラミンはこの眠気の副作用が強いので風邪薬などにはあまり使われなくなったんだけど(最近は眠くならない薬がはやっているからね。)、逆に睡眠改善薬として復活したのだ。
これは、ヒスタミン受容体も脳内にあって、脳の神経伝達に関与しているからなんだけど、詳しいメカニズムはそんなによくわかっていないんだよね。
この睡眠改善薬もけっこうきくんだけど、やっぱりそれなりの時間睡眠をとらないと眠気が持続したりするので、使い方には注意が必要なのだ。

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